避妊薬で女性の薄毛が改善される
避妊薬というのは避妊以外にもさまざまな効果があり、
生理痛の緩和や、更年期障害の対策にも用いられています。
ピルには「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2種類の
女性ホルモンを調整する作用があるのですが、
「エストロゲン」増加により、女性の薄毛が改善されるという報告がなされています。
エストロゲンとは
エストロゲンというのは9歳前後から女性の体内で生成され、
思春期には乳房、子宮、膣など
大人の体へと発育させるのに役立ち、
女性特有のまるみをおびた体型をつくる役割をします。
卵胞ホルモン、発情を誘起させることから発情ホルモンとも呼ばれており、
卵胞から分泌され、副腎皮質、妊娠中は胎盤でも造られます。
プロゲステロンとは
プロゲステロンというのは、黄体ホルモンと呼ばれる
女性ホルモンの一種で、黄体、副腎皮質、胎盤に含まれています。
妊娠維持、体温の上昇、排卵抑制、子宮内膜分泌期変化、乳腺発育などの
作用があります。
また、避妊、習慣性流産、月経周期の異常などの治療にも用いられるそうです。
避妊薬「ピル」の効果
ピルには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類の女性ホルモンが
含まれる医薬品で、服用すると血中に女性ホルモンが増えることから
体内のホルモンバランスを整える作用があります。
それは排卵のタイミングであったり、生理痛を抑える効果があることから
避妊だけでなく、そういった生理不順の目的でも使用されています。
逆にピルで薄毛になる場合もある
逆にピルによって薄毛になってしまう、という例もあるようです。
まず一つ目は
・ピルを服用することで逆にホルモンバランスを崩してしまった場合に起こります。
もう一つ目は
・ピルの服用を止めた後に再びホルモンバランスが崩れた場合です。
ホルモンバランスが崩れて抜け毛が増えるとはどういうことかというと、
女性にも男性ホルモンは存在しているわけですが、
女性ホルモンがピルの服用によって増えることで
男性ホルモンが抑えられ抜け毛が増えてしまうといった例です。
男性ホルモンといえば逆の意味で抜け毛が増えると思われがちですが、
実は元々男性ホルモンというのは、発毛や増毛作用を促します。
男性ホルモン=脱毛というのは、あくまでもDHT(悪玉男性ホルモン)に変化した場合であり、
通常男性ホルモンというのは髪を生やす作用があります。
ピル服用を止めた後に薄毛になるというのは
ピルによって補われていた女性ホルモンが体内から減ることによって
ヘアサイクルに乱れが生じ、抜け毛が増えるというものです。
びまん性脱毛症 FAGA
女性男性型脱毛症と呼ばれるFAGA びまん性脱毛症という病気があります。
どういう病気かというと、
男性型脱毛症AGAがありますが、この症状が女性にも現れてしまうというものです。
実はピル服用を止めたあとに、
このびまん性脱毛症になってしまうリスクがあるといわれています。
理由としましては、ピルによって女性ホルモンを補っていたものの、
服用を止めた後、その女性ホルモンが減り、
体内で男性ホルモンが余計に増えてしまうことからです。
これもホルモンバランスの乱れということですが、
男性ホルモンが無駄に増加してしまうこともあるようです。
びまん性脱毛症の症状
女性男性型脱毛症というだけあって、
症状は男性のAGAと少し違います。
前頭部や頭頂部から薄毛が起こるのではなく、
頭が全体的に薄くなってしまう症状なのです。
ペースとしては、徐々に徐々に薄くなっていくため、
気付くのが遅れてしまうといったケースがあるので注意が必要です。
ピルによる薄毛は数ヶ月で治ります
ピルの影響で薄毛になってしまった場合でも
ヘアサイクルが正常に戻れば、元の髪に戻ります。
髪の生え替わりに必要な期間は通常3~4ヶ月と
言われていますので遅くとも半年後には薄くなっても
戻ると言われています。
ただ、元に戻らない場合は前述したようにびまん性脱毛症など、
他の原因で薄毛になっている可能性もありますので病院で受診するようにしましょう。
薄毛対策としては
ストレスを貯めないこと、睡眠をしっかりととること、
食事をしっかりとることなど、ごく当たり前のことで、
とにかくホルモンバランスを崩さないことがなによりも大事です。
栄養素をバランスよく取ることも大事で、特に
髪に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラルを意識して取るようにしましょう。
規則正しい生活は、ヘアサイクルを正常に保ったり
髪に良い頭皮環境を保つ助けになります。
ピルの副作用
最後にピルの副作用について書きます。
主な症状
- 血栓症になる恐れがある
- 息切れ、押しつぶされそうな胸の痛み
- 足の痛みや腫れ、脱力感
- 激しい頭痛、舌のもつれ、しゃべりにくい
- 視覚障害
血栓症になる恐れがありますが、これは女性ホルモン「エストロゲン」が
関係しています。
男性型脱毛症にプロペシアを服用するのですが、
プロペシアで希に起こる血栓症も、この「エストロゲン」が影響していると
言われています。
ピルを服用されている方は、定期的に血液検査を受けましょう。
また個人輸入は避け、病院で処方、診察を受けましょう。
あと、薄毛改善目的での服用はそもそもの目的が違いますので止めましょう。